NHK連続ドラマ「わろてんか」毎日楽しく観ています。




やっぱり、朝からのドラマは笑いのある楽しい話しがいいようですね。


「わろてんか」では秦野リリコ、広瀬アリスが娘義太夫として登場していますが、明治時代の娘義太夫について少し書いてみます。

 





娘義太夫の登場


若い女性、娘義太夫が三味線に合わせて物語を語るります。


1人で語るので、ナレーションの部分もあればセリフの部分もあったりします。


自分1人で演じ分けてそれを三味線にのって歌うというか語ります。


江戸時代は公的には女性は劇場に上がれなかったのが明治以降になって解禁されます。


若い女性が堂々と「娘義太夫」として寄席に出てきました。


その代表が竹本綾之助です。


男性っぽい名前ですが女性です。


「娘義太夫」もちろん女性ですが、義太夫ですからそういう名前を授かりました。


「わろてんか」芸人・秦野リリコのモデル


NHK連続テレビ小説「わろてんか」で、広瀬アリスが演じる芸人・秦野リリコが史実では竹本綾之助にあたります。


明治19年上京します。


彼女はデビューが10代前半。


12歳とか11歳で寄席に登場します。


ジュニアアイドルの登場でした。


娘義太夫ブーム到来


娘義太夫が寄席に登場して一気にブームになりました。


芸能の人気を歌舞伎と二分するほどになったのでした。


東京では人形町の宮松、両国、本郷の若竹、吾妻橋の東橋亭や、新柳などが真打の出る寄席であらゆる寄席を娘義太夫たちが芸能界を席巻します。


とにかく可愛いい。


美貌と美声で圧倒的人気を得ます。


舞台に上がるとお客さんが名前を叫びます。


「待ってました!」と声がかかります。


「どうする!どうする!」って全てのお客さんが佳境に入ると語りの途中の合いの手で声をかけます。


「どうする!どうする!」


もう、現在のアイドルオタクと同じです。


「どうする!どうする!」



「どうする!どうする!」



「どうする!どうする!」


あまりの「どうする!どうする!」の連呼に


「娘義太夫」ファンのことを「どうする連」と名前までつけられてしまいます。


手拍子を打ち、茶碗の底を擦り合わせて騒ぐほど熱狂しました。


人力車の後押しをしたり、娘義太夫の日本髪が熱演のあまり乱れ、かんざしが髪から落ちると、それを拾おうと場内が混乱しました。


出待ちもあればですね、おっかけもある。


ファンレターもあれば、ファン同士が劇場の外で交流するっていうこともある。


新聞に投書欄に匿名で投書する。


好きな「娘義太夫」の恋文を書いたり


嫌いな「娘義太夫」の悪口を書いたり


ファン同士でケンカしたりしました。


新聞の投書欄で当時はそのまま載せてもらえたのです。


もう、全く偉い騒ぎとなっていました。


竹本綾之助の登場


特に娘義太夫のアイドル、竹本綾之助の人気は凄まじかった。


綾之助の看板さえ掲げればどの寄席でも即満員、チケットはソールドアウトでした。


東京中の寄席から引っ張りだこになったのは無理もない。


綾之助が出る寄席の周囲の八丁四方が不入りになったことから


「八丁荒らし」と呼ばれました。


正月から12月までの1年間のスケジュールは全て埋まっていました。


2軒の寄席を掛け持ちする『二軒バネ』は綾之助からはじまったとか、凄い人気で寝る暇もなかったとか


NHK連続ドラマ「わろてんか」広瀬アリス役秦野リリコが今後、どんな風にテレビで描かれていくのか興味深々です。



夏目漱石もアイドルオタクだった。


夏目漱石が39歳のときに、ある「娘義太夫」の家を突き止めたっていう手紙を送っています。


娘義太夫の家を突き止めたと嬉しそうに書いていたのだそうです。


知性溢れる、大小説家の先生がアイドルオタクとはなんだかガッカリする気もしますが


昔も今も、なんだか変わらないのが日本の良いところなんですかね。