NHK連続ドラマ「わろてんか」では伊能(高橋一生)は制作した映画が検閲で次々と公開中止となり、その責任を問われ社長を辞任することに。


伊能はてんと風太を訪ね、北村笑店の役員を辞めさせてほしいと願い出るが、風太はキース(大野拓朗)やリリコ(広瀬アリス)ら芸人たち総出演の喜劇映画を作りたいと、北村笑店に映画部を新設し伊能を顧問に迎えた。


『わろてんか』第24週、北村笑店に映画部を新設 喜劇映画を製作

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180311-00054690-crankinn-ent


朝ドラの北村笑店のモデルは吉本興業です。


また、伊能栞のモデルは小林一三です。


史実では吉本興業と小林一三と映画はどうだったのか見てみたいと思います。


吉本興業と映画


1933 昭和8年に吉本興業は「文芸」、「宣伝」、「映画」の3部門を設立しました。


1934 昭和9年には吉本初の制作映画「佐渡情話」(日活提携)が封切られ大ヒット。


「佐渡情話」がヒットしたので、吉本興業は映画「紺屋高尾」「孝子五郎正宗」「新佐渡情話」などを作り、これもヒットさせました。


昭和8年ラジオで「早慶戦」の漫才を放送して依頼、芸能界のスタートなった「エンタツ・アチャコ」。


その後、コンビは解散となっています。


しかし「エンタツ・アチャコ」のコンビ復活を望む声は強かった。


林正之助は舞台では別々のコンビで活動させたまま、映画で「エンタツ・アチャコ」を復活させたのでした。


映画制作会社PLC(東宝の前身)と提携して映画「あきれた連中」(昭和111月上映)を制作した。


漫才師が映画に出るのは、これが日本初の映画でした。


朝ドラ「わろてんか」の映画「キースのあきれた恋道中」の検閲によって上映中止となっているが、史実の映画「あきれた連中」は大ヒットし、続編が作られ、舞台にもなっています。


映画を舞台にするというのも吉本が初めて手がけたのでした。


さらに、エンタツ・アチャコは映画「これは失礼」「心臓が強い」などに主演してヒットを飛ばします。


小林一三と映画


一方、伊能栞(高橋一生)のモデル小林一三は、東京に進出して「株式会社・東京宝塚劇場」を設立していた。


そして、映画界に進出した東京宝塚劇場の小林一三は、洋画配給会社「松竹洋画興行社」との対立を切っ掛けに、配給映画だけでは間に合わなくなり、映画制作会社「PLC」と「JOスタジオ」と共同出資で、昭和11年に「東宝映画配給株式会社」を設立し、映画の自主配給網を構築していった。


さらに、東京宝塚劇場の小林一三は、昭和111118日に吉本興業と提携し、芸人の引き抜き禁止や、吉本芸人を東京宝塚劇場の映画に出演させる取り決めが交わしたのです?


こうした小林一三の台頭を脅威に感じた松竹は、日活・新興・大都と組んで、系列の映画館から東宝系の映画を排除した。


さらに、極東・全勝の2社が反東宝連合に加わり、東宝包囲網も形成し、東宝を倒産寸前まで追い詰めていった。


このようななか、小林一三は突如として東京宝塚劇場の社長を辞任するが、懇願されて相談役として残り、東宝包囲網に対抗するため「東宝映画配給」「PLC」「JOスタジオ」を合併し、昭和12年に東宝映画株式会社を設立したのです。


■ ドラマは真実ではない。


NHK連続ドラマ「わろてんか」と史実はかなり異なっています。


朝ドラを観て吉本興業の歴史がわかったと思っている方がいれば大きな間違いです。


作品のタイトルは『わろてんか』。


明治後半から第二次世界大戦直後の大阪を舞台に、ヒロイン・藤岡てんが小さな寄席の経営を始め、やがて日本で初めて「笑い」をビジネスにする様を描く。


吉本興業の創業者・吉本せいをはじめとする当時の芸人や文化人が物語のモチーフした架空の物語なのです。


まあ、細かいことは気にしないで脚本家の吉田智子さんの言うように朝ドラから楽しく笑って一日をスタートしましょう。


吉田智子のコメント


皆さん、最近ヘコたれたことはありませんか? 毎日がつらいなと思うことはありませんか? 失恋、失職、長患い‥‥人生はある日突然予想もできないことが起こるものですよね。でももしかしたら、「笑う」というささやかな行為が、私たちに希望をもたらしてくれるかもしれません。


あの未曽有の震災の時、お笑い芸人さん達が慰問先でしょうもないことを言って被災者の方々を爆笑させている姿は鮮烈でした。実は戦時中も「わらわし隊」という芸人慰問団が戦地で熱狂的歓迎を受けていたことをご存知でしょうか。


命のろうそくを手にした兵隊さんたちが笑い転げる写真に、私は正直驚き、胸を打たれました。


人は笑うことで癒され、前を向くことができる生き物なのでしょう。


だから、毎日が楽しい人も楽しくない人も、一緒に笑えるドラマを作りたいと思ったのです。


脳というのはだまされやすく、口角を上げるだけで「楽しい」と勘違いしてしまうオッチョコチョイ。


ニッコリするだけで“幸せホルモン”と呼ばれるセロトニンが分泌されるそうです。すると心は穏やかになり、ストレスも減り、不思議とやる気が湧いてくる‥‥。


「幸せだから笑う、のではなく、笑うから幸せになれる」というのは本当かもしれません。


私の目標は、このドラマをご覧になって下さる皆さんを、毎朝1回、いえ最低3回笑わせ、自分も笑い転げることです。


そして気持ちのいい涙で一日の始まりをトンとひと押し‥‥。


皆さんと一緒に、“朝活”ならぬ『笑活(わらカツ)』を広めていけたらいいなと思います。