NHK連続ドラマ『おちょやん』が始まった。主人公は竹井千代。杉咲演じる竹井千代は大阪府南河内郡出身の上方女優・浪花千栄子(なにわ ちえこ)がモデルです。
今日は浪花千栄子さんの本名と芸名について書いてみたいと思います。
■浪花千栄子の本名
浪花千栄子の本名は南口キクノ(なんこう きくの)です。大阪府南河内郡大伴村大字板持(大阪府富田林市東板持町)の生まれ。
鎌倉時代の名将・楠木正成は大阪府富田林市の出身と言われており、楠木正成の人気が高かった。楠木正成にちなんだ名前を付ける人が多かったそうです。
楠木正成の家紋が「菊水」だったことから、楠木正成にちなんで「キクノ」と名付けられました。
また、南口キクノの母親が「南口キク」というので、母親の名前と楠木正成の家紋とあわせて、名付けられたようです。
オロナイン軟膏のCMは本名が南口キクだから「なんこう きくの」と「軟膏効くの」との洒落でCMに選ばれたらしい。
■浪花千栄子の芸名
浪花千栄子の芸名は「三笠澄子(みかさ すみこ)」から「香住千栄子(かすみ ちえこ)」へ「香澄千栄子」から「浪花千栄子(なにわ ちえこ)」へと変わっています。
1番目の「三笠澄子」という芸名は、最初に入ったプロダクションの監督が付けた芸名でした。
2番目の「香住千栄子」の芸名は次のように決まりました。
彼女が京都の三友劇場に出演している村田栄子一座に入り、村田栄子一座で看板女優になった。しかし、師匠の田村栄子はヒステリーの持ち主で、直ぐに物を投げつけるような人だった。彼女は我慢していたが、階段から蹴落とされたりしたので、 三友劇場の主が見るに見かねて、映画の「東亜キネマ」を紹介してくれたのである。その三友劇場の主が「村田栄子を千、超えるように」という願いを込めて、香住千栄子と名付けてくれたので、東亜キネマ時代に「香住千栄子」を使った。
3番目の芸名は次のように決まりました。
彼女は「東亜キネマ」を辞めて、市川百々之助に招かれて、市川百々之助のプロダクションに入った。
市川百々之助は「大阪の女優さん」ということで、「浪花千栄子」と名付けたのでした。
■終わりに
芸能人は次々と名前が変わって覚えるのもたいへんですね。
浪花千栄子さん本名「南口キクノ」さん芸名「三笠澄子」「香澄千栄子」「浪花千栄子」との多くの名前を使い、彼女は芸能界を登り上がっていったようです。
ただの名前だと言っても名前は、本当に大切ですね。名前一つで人生が変わってしまったかたも居られたようです。せめて親から貰った名前は大切に使いたいものです。